いまの日本の若者文化は、活字や本ときわめて高い親和性を持っています。
しかしそれにもかかわらず、本は売れなくなっている。かつては一万部くらい売れた本が、四〇〇〇部ほどしか売れなくなっている。
どうしてでしょうか。
私は、それは若者の文字離れが原因でもなければ、本というコンテンツそのものの問題でもなく、徹底的に流通構造の問題であると見ています。
本というコンテンツを流通させるプラットフォームが、いまの日本では恐ろしいほどに劣化してしまっているから、本は売れなくなってしまっているのです。
佐々木俊尚 「電子書籍の衝撃~本はいかに崩壊し、いかに復活するか~」