本の読者から見れば、電子ブックに不利などひとつもありません。
たとえばグーグルブック検索が日本でも実現すれば、すべての本をテキスト検索できるようになります。
そもそもこのインターネット時代にあって、検索できない情報はもはや生きた情報とはいえません。ネットの普及によって、情報は検索できるのが当たり前になったのです。ウェブサイトやブログ、新聞記事、動画、音楽などありとあらゆるコンテンツを私たちは検索システムによって探しだし、楽しんでいるのです。
しかしこれまでは、本だけは検索できませんでした。検索できるのはタイトルや著者名、出版社などだけで、本文の検索はありませんでした。
これではあまりにも読者にとって利便性が低すぎます。もし現在流通しているベストセラーなども含めて、本の全文が検索できるようになれば、出版文化にとっても社会全体にとっても、非常に有意義なのではないでしょうか。
佐々木俊尚 「電子書籍の衝撃~本はいかに崩壊し、いかに復活するか~」