2010年11月6日

ヤンキー文化と活字文化の出会い

 ヤンキー文化と活字文化の衝突。
 それまで文字文化とほとんど関わっていなかった「地方の若者」というマスの集団が、ネットを経由して一気に活字の世界に流れ込んできたというわけです。そして彼ら彼女らはそれを「小説である」とは意識しないまま、ケータイ小説を読むようになったということなのです。
 実際、ケータイ小説作家に取材してみると、彼らの側にも自分たちが書いているものが小説であるとは認識していない人が多数派でした。
 「掲示板に自分の体験談を書いているうちに、多くの人が読んでくれるようになった」「最初は打ち明け話のような感覚で始めた」と語る書き手が非常に多かったのです。
 これは始原的な文化の姿に思えます。

佐々木俊尚 「電子書籍の衝撃~本はいかに崩壊し、いかに復活するか~」
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