2010年10月20日

出版文化の現状

 「良い本が読者に届けられる出版文化」という前提自体が、一九八〇年代のニューアカデミズム・ブームのころを最後に崩壊してしまっていて、今の出版業界はその残滓を食い尽くしながら、一方で生き残りのために自己啓発本をはじめとする一般に受ける本を量産しているにすぎないのです。

 私は、電子書籍は出版文化を破壊するものではなく、緩きよき時代の出版文化を復活させる最終手段になるのではないかと実は考えています。

佐々木俊尚 「電子書籍の衝撃~本はいかに崩壊し、いかに復活するか~」
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