2010年11月13日

単純なる複雑

「わたしの絵くらいな程度までは、誰にでも行き得る境地といってもかまいませんが、この辺になると、道高く、山深く、非凡過ぎて、たた学べば行けるという境地ではありません」・・・成程、それは一見単純な墨一色の粗画に過ぎないが、その中に持っている「単純なる複雑」に、彼もようやく少しずつ眼をひらいて来た。

吉川英治『宮本武蔵』(4)
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