2010年10月19日

マイクロコンテンツ化

 新聞記事は、あつては新聞紙というパッケージの中に包含され、一面から政治面、経済面、文化面、社会面というページの流れの中で読まれてきました。しかし、ネット時代に入るとパッケージに基づいて読む購読スタイルは消滅へと向かい、多くのネットユーザーはRSSリーダーから拾い読みするか、あるいは記事を紹介するブログのリンクからたどって新聞記事に直接たどり着くような方法へとシフトしています。
 これは音楽でも同様です。これまで楽曲を購入するというのは音楽CDを購入することであり、それはすなわちまとまったパッケージとして楽曲を購入していたということでした。ところがiTunesストアでは、アルバムに収められている楽曲をバラバラに購入できます。自分にとって不要な曲は無視して、好きな曲だけを買えるようになったわけです。

 これこそがマイクロコンテンツ化なのです。マイクロコンテンツの世界では、パッケージはだんだん意味を持たなくなっていきます。

佐々木俊尚 「電子書籍の衝撃~本はいかに崩壊し、いかに復活するか~」
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