天若不愛酒 天若し酒を愛せずんば
酒星不在天 酒星天に在らず。
地若不愛酒 地若し酒を愛せずんば
地應無酒泉 地に應に酒泉無かるべし。
天地既愛酒 天地既に酒を愛す
愛酒不愧天 酒を愛するは天に愧ぢず。
已聞清比聖 已に聞く清を聖に比し
復道濁如賢 復た道ふ濁は賢の如しと。
賢聖既已飲 賢聖既に已に飲む
何必求神仙 何ぞ必ずしも神仙を求めん。
三盃通大道 三盃 大道に通じ
一斗合自然 一斗 自然に合す。
但得酒中趣 但だ酒中の趣を得んのみ
勿為醒者伝 醒者の為に伝ふる勿れ。
天若不愛酒 天がもし酒を愛さないなら
酒星不在天 酒星が天空にあるわけがない。
地若不愛酒 地がもし酒を愛さないなら
地應無酒泉 地上に酒泉なんてのがあるはずがない。
天地既愛酒 天も地も実際酒を愛している
愛酒不愧天 酒を愛するってことは神様に恥ずべきことではないさ。
已聞清比聖 酒の清らかなのは、聖なるものを思わせる
復道濁如賢 また、濁ったのは、賢(知性)を感じさせてくれる。
賢聖既已飲 賢も聖もすでに酒のなかにあって私はそれを飲んでいる
何必求神仙 神様や仙人になろうってわけじゃない。
三盃通大道 三盃飲めば正しい道に入っていける
一斗合自然 一斗飲めば自然に溶け込んで行ける。
但得酒中趣 ただ酒を飲んでたのしみたいだけなんだ
勿為醒者伝 飲まない人には言ってもムダってことよ。